奥田会長の「産業再生機構に行けば良い」発言

 奥田硯・日本経団連会長は04年11月29日にあるパーティーの席で新聞記者に囲まれていろいろな事を聞かれた。奥田会長はこうした時には正直に話すことで記者にも好感を持たれていた。そこには朝日の記者も読売の記者も共同、時事の通信社の記者もいた。当時、トヨタ自動車がミサワホームを救済するのではないないか、といわれていた。この時に奥田会長は
 「(ミサワホームの救済は)産業再生機構に行ってからの話だ」
と述べた。この記事は読売が全国に流した。

ところが朝日や毎日には載らなかった。この日の朝5時すぎに朝日の記者から電話があり「奥田さんがアドリブ的に話したのに産業再生機構にあたかも行くように書くのはおかしい」と話していた。また、会社に行くと日経の記者が待っており「ミサワの再生機構入りはない」と言っていた。奥田発言について両方の記者は意図的なものだと言っていた。
時事通信はミサワホームの産業再生機構入りをこの日の朝8時30分に全国に流した。

読売はこの発言の2日前の27日に一面トップで
「ミサワホーム、機構活用へ。支援、トヨタ浮上」という記事を書いていた。この中で次ぎのように書かれている。
「ミサワホームの再建についてはUFJは当初、トヨタにミサワホームへ直接出資を求める方向で検討していた。これに対してミサワホームの創業者で元名誉会長の三沢千代治氏の影響力が依然残っており、社外から再建に関与する動きを見せたことなどから、このままでは再建の主導権を握りにくくなるとして、難色を示していた。このため、UFJとミサワはスポンサー候補にトヨタが名乗りを上げることを視野に、再生機構の活用によって再建策の透明性を高め、スポンサー企業がミサワホームを支援しやすい環境を整える必要あると判断した模様だ」

 この中で三沢氏の社外からの債権に関与する動きとは、ミサワファンドのことを指している。しかし、三沢氏はもちろんのことミサワホームの水谷和生社長も「産業再生機構に支援を要請した事実はなく予定も無い。世間の一般認識からして機構入りはブランドイメージを損なう」(04年12月8日の日経産業新聞)という考えであった。奥田発言でミサワホームは産業再生機構を活用して再建するという方向が固まった。大阪の10人の株主は「奥田発言を撤退すべきである」という記者会見を開いたが、マスコミには載らなかった。

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