喧嘩別れは良くない

 トヨタ自動車の豊田章一郎・名誉会長は「愛知万博」の会長として活躍し、大成功を収めた。経団連の会長としても東京電力の平岩外四・元会長の後を継いで2期4年を勤め上げて今井敬・新日鉄名誉会長につなげた。今や経済界のリーダーになっている。この豊田章一郎さんが三沢千代治氏をトヨタ自動車の元町工場に招いたことがある。

 豊田氏が工場の中を運転して、住宅の工場を見せて助言をして欲しいという依頼である。三沢氏は工場を見て2、3のアドバイス(忠告)をした。その中でトヨタホームのロゴマークが自動車と同じで傾いているので「住宅会社としては傾いているロゴマークは良くありませんよ」とアドバイスした。
 豊田氏はこのアドバイスに「住宅会社で成功している三沢さんの着目点は素晴らしい」と話した。

 また、ある時は東京のミサワホームの本社のあるNSビルにふらりと来た。下にトヨタ自動車の販売店があるのでついでに寄った。豊田さんは「三沢さんは日産の車に乗っていますが、トヨタの車に変えてくださいよ」と言った。びっくりした。オーナーの豊田さんが自動車のセールスをしたからだ。この話をミサワホームの社員にするとともに三沢氏もセールスを積極的に行うようになった。

その後も名古屋の駅で偶然一緒になった時もあり「三沢さんは髪の毛が私と違って真っ黒ですね」と新幹線の下り際に話し掛けてきたこともある。

 三沢氏は米国の消費者運動をしているラルフ。ネーダーとは昔から親しい。ある時にラルフ・ネーダーの本を贈ったところ「有難うございました」という礼状がきた。

 このように豊田氏とは昔から親しいのにもかかわらず、今回のように敵対関係になってしまった。トヨタ自動車のミサワホームに対する敵対的買収と三沢千代治氏は判断している。ミサワホームからも追放された三沢氏はトヨタ自動車とけんかしないで、仲直りをしたいほうが業界のために良いと私は考える。その一つとして千代田区に住宅大学院を作る構想が進められている。住宅関係の大学院は不足していることからこうした構想を石川・千代田区長は特区に作ろうという所まで来ている。私はトヨタ自動車と三沢氏は協力して業界のために大学院を設立したらどうかと思っている。

 トヨタ自動車はトヨタホームの強化にはミサワホームの築いてきた販売力、技術力、開発力が必要である。そうした時にミサワホームの創業者の三沢千代治氏の力は必要になるだろう。三沢氏も喧嘩別れは良くないと考えており、双方が歩み寄る必要があるだろう。

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